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お金持ちのルール〜ロバート・キヨサキの著作から学ぶ〜

〜ロバート・キヨサキ氏の著作を通じて実践したいと思うこと、より多くの人に広めたいこと〜

はじめに:金持ちは教育で生み出せる

 私は、ロバート・キヨサキ氏の著作に、すっかりはまっています。
 ベストセラーとなった「金持ち父さん貧乏父さん」を初めとして、筑摩書房から発行される一連のシリーズを、新刊が発売されるたびに次々と読み続けました。そして、読み終えるたびに、必ず新たな発見がありました。

 そしてこのたび、2005年7月発行の最新刊「金持ち父さんのパワー投資術」を読み終え、改めて前のシリーズを読み返したくなりました。
 実際に読み返すと、以前は気が付かなかった、新たな啓発を受けることもあります。人間はけっこう物忘れをするもので、読んだのに憶えていないという部分がけっこうあるようです。
 それでも、シリーズを通してロバート・キヨサキ氏が訴えたいことに関して、徐々に体に頭に染み付いてきたという実感があります。
 そこで、改めてお金持ち入門、資産家入門、ファイナンシャルフリー入門を意識して、私がロバート・キヨサキ氏の著作を通じて実践したいと思うこと、もしくは、より多くの人に広めたいことなどをまとめてみたいと思います。
 ロバート・キヨサキ氏が著作の中で語っている内容を、あえてワンフレーズで表すならば、それは「金持ちは教育によって生み出すことができる」ということになると思います。しかし、その教育の内容は、私たちが義務教育、もしくは高等教育など、学校で受ける授業内容とは違うものです。学校教育は、あくまで従業員、もしくは専門職を生み出すための教育であり、経営者、投資家を生み出す教育になっていないと、キヨサキ氏は述べています。
 そして、ロバート・キヨサキ氏が行うさまざまな主張の中で、特に私が印象深く思うことを、3つ上げてみると次のとおりです。

1:お金に関する知恵を身に付けよ
2:不労所得を得られるよう工夫せよ
3:学生時代にエリートでなくても気にするな
 以上の3つを、ひとつづつ具体的に述べていこうと思います。


1:お金に関する知恵を身に付けよ

 ロバート・キヨサキ氏が「金持ち父さん」シリーズでもっとも伝えたいことは、「お金に関する知識を身に付けよ」ということだと思われます。

 さて、お金に関する知識とは、具体的には何のことでしょうか? お金の使い方に違いないのですが、特にキヨサキ氏が強調しているのは、お金を持ち続けるためにどのように行動するべきか、という点です。

・資産と負債の違いを理解せよ
 私たちがお金を使う際に、資産にお金を支払っているのか、負債にお金を支払っているのか、意識しているでしょうか?
 また、この支払いは自分のため、家族のために絶対に必要であるとか、無駄遣いであろうとか、考えながら行動しているでしょか?
 いずれにせよ、資産とは何か、負債とは何かにおいて、その区別が出来ていないと気をつけようがありません。
 資産と負債の違いにおいて、ロバート・キヨサキ氏の論点は明快です。

「資産は、あなたのポケットにお金を入れてくれる」
「負債は、あなたのポケットからお金を奪っていく」
 例えば、配当が定期的にもらえる株式は資産といえるでしょう。ただし、信用取引で買った場合は、資金には金利支払いが生じるため、負債ということになるはずです。
 1棟建て8部屋のアパートを買い、1部屋を自分で使うとして、残り7部屋を貸し出すとします。この場合はどうなるでしょう。
 7部屋が満室となり、あらゆるコスト、借金返済やアパート維持費積み立てなどを行った上で、いくらかのお金が手元に残るのならば、このアパートは資産です。赤字なら負債です。
 ロバート・キヨサキ氏は、金持ちになりたいのなら、資産と負債の違いを理解し、まずは資産を買い続けるべきだと述べています。負債は、資産が生み出してくれるキャッシュフローで買うべきである、とも述べています。

・良い借金と悪い借金を区別せよ
 資産、負債の違いにもつながりますが、借金にも区別があるといいます。どのように区別するべきでしょうか?

 現代社会において、借金なしに過ごせる人はいないと思います。ディスカウントストアのポイントカードにクレジット機能が付く時代です。個人の信用を元に、現金がなくても品物が買えるというのは便利ですし、その恩恵としてポイントがたまるというなら、うまく活用するべきでしょう。
 そして、金利が付かないから良い借金、金利が高いから悪い借金なのか、というと、必ずしもそうではないようです。
 では、ロバート・キヨサキ氏は、借金をどのように区別するのでしょうか。
 ロバート・キヨサキ氏は、借金はレバレッジと解釈しています。仮に5000万円の物件を、頭金1000万円、借入金4000万円で購入するとします。資金1000万円で5000万円の物件を買ったのですから、自分の資金に対して5倍のレバレッジをかけたことになります。
 そしてもし、この物件から毎月60万円の家賃収入が入るとしたらどうなるでしょう? 資金1000万円に対して、年間720万円もの収入があることになります。
 もちろん、ここから金利支払いやそのほか経費を支払うことになります。必要な支払が年間520万円あったとしても、200万円が残ります。物件を買うために出した1000万円もの資金を、5年で回収できる計算です。
 このように、投資した資金が確実に回収できる場合、ことのきの借金はよい借金ということになります。
 逆に、資金が回収できず、出費ばかりがかさむ場合、このときの借金は悪い借金となります。簡単な例として、自宅を購入する場合を考えてみます。土地付きの一戸建て3000万円の物件を、頭金500万円、借入金2500万円で購入する場合、借入金の返済、固定資産税の納付、物件の維持費など、お金が出て行くばかりで、この一戸建てからは収入が得られません。したがって、この借金は悪い借金だというわけです。
 ロバート・キヨサキ氏は、良い借金と悪い借金を区別し、しっかりと見極める必要があると言ってます。借金はしてもかまわないのです。収入が支出を上回るような借金であれば問題ないということです。

・税制を理解して味方につけよ
 この世の中で暮らしていくためには、絶対に必要な費用があります。衣食住にかかわる出費はもちろんですが、それに付随する税金も避けて通るわけにはいきません。

 もちろん、各種社会保障のための保険料も、つきつめれば税金の一種です。社会保障の保険料を、これは税金ではないという詭弁を使い、収入が無いという理由から支払を拒否する人もいるようですが、むしろ社会保障保険料は削るべきではありません。特に国民年金の不払いは将来の無年金につながるのはもちろん、遺族年金(死亡保障)、障害年金(高度障害保障)も受け取ることができなくなります。これは得策ではありません。国民年金の場合は、収入が少ないことを証明できれば、免除を受けられます。せめてその程度の手続きはしておくべきです。
 削るべきなのは、社会保障保険料ではなく、税金でしょう。そして、税金に関しては、いろいろな節約手段があります。その節約手段を勉強し、うまく活用するべきです。
 サラリーマンの場合、税金や社会保障保険料が給与天引きであり、節税の余地はあまりないように思えます。しかし、給与所得控除が自動的に計算されているがため、その有利さが気づきにくいだけなのが実情です。
 サラリーマンが積極的に利用できる節税として、証券税制があります。例えば、預貯金の利子には、源泉徴収により合計20%もの税金が徴収されますが、それを株式もしくは投資信託に切り替えるだけで、配当に対する源泉税を10%に軽減できます。
 もっと所得税を積極的に節税したい場合、サラリーマンとしての収入以外に、サイドビジネスを立ち上げ、そちらの経費を含めて総合課税としてしまう方法もあります。また、個人事業主であったり、会社を持っている人の場合は、さらに積極的に経費を使うことにより、節税することもできます。
 もっとも、ビジネスを赤字とするために経費をかけすぎて、手元のキャッシュを少なくしすぎてしまうのも本末転倒ですので、経費はほどほどにする必要があります。税金は、国からのサービスを受けるための必要な出費です。儲けが出ている場合は、しっかりと税金を納める必要があります。


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2:いろいろな収入が得られるようにせよ

 ほとんどの人は、仕事をひとつだけ持ち、収入はその仕事からしか得ていないと思います。自分の仕事に専念するのはたしかに重要です。問題は、収入を得る経路が1つしかない点でしょう。

 収入を自分の仕事のみに依存する、もしくは年金だけでまかなうのは危険です。自分の働きからのみの収入に頼っていると、万が一病気になったり、事故で怪我をして仕事が出来なくなると、その唯一の収入の道が途絶えることになります。サラリーマンなら有給休暇がありますが、個人事業なら致命傷です。また、高齢になれば年金がもらえますが、今後は社会保障給付の縮小に向かうため、当てになりません。
 そこで、何かしら別な方法で収入を確保する必要があります。ロバート・キヨサキ氏も、収入、すなわちキャッシュフローの流れを複数持つことを勧めています。いちばん簡単な方法は、まずは自分の仕事からのキャッシュフローと、自分が貯めたお金に働いてもらってキャッシュフローを得るという、2つの流れを作ることです。

・お金に働いてもらうとはどういうことか
 例えば、サイフに入っているお金は、使われることを待っているだけです。タンス預金も同様です。現金は現金のままであり、手元にある以上、それはお金でしかありません。
 そこで、お金からお金を生み出す方法を考えます。すなわち、資産運用です。頑張って貯めたお金を、より高い利子、より高い配当、より高い不動産収入、より高い営業利益を上げられるものに替えていくのです。それは、資産を買う、ということと同じ意味です。
 以前に、資産と負債の定義を考えました。資産は、ポケットにお金を入れてくれるものです。資産とは、高級車や自分が住むための住宅、宝石や趣味の収集物のことではありません。それらは、ポケットにお金を入れてくれないどころか、お金を奪っていくだけです。ロバート・キヨサキ氏は、この点はしつこいくらい述べています。私たちがキャッシュフローの流れを2つ以上持つためには、資産を買うことに全神経を注ぐべきなのです。

・ビジネス、不動産、証券、仕事を組合せよ
 まずは、自分の仕事をしっかり勤めます。そして、徐々に貯まったお金を使い、そのお金自体に働いてもらうことを考えます。すなわち、資産を買うのです。資産を買うことができれば、キャッシュフローが2つになります。

 具体的に、資産として何を買えばいいのでしょうか? ロバート・キヨサキ氏によれば、ビジネス、不動産、証券ということになっています。
 お金を働かされるという一面が、いちばんわかりやすいのが証券投資でしょう。まずは証券から話を進めましょう。
 証券とは、お金に関する約束事を定めた書類のことです。広義には生命保険も含みますが、ここで言う証券(ロバート・キヨサキ氏はペーパーアセットと呼んでいます)は、債券、株式、投資信託などを指します。
 証券には、いずれも価格が変動するリスクがあります。その価格の変動を利用して、売買により差益を得ることが証券投資だ、と考える人が非常に多いですが、それは証券投資の一面でしかありません。ロバート・キヨサキ氏の主張に素直に則るなら、むしろ利金を得る、配当を得ることを重視するほうがよいはずです。
 証券は、予算に応じてさまざまな商品があります。キャッシュフローを増やすということに重点を置くことができれば、どの商品でもよいと思います。
 次に比較的行いやすいのが、不動産を買うことでしょう。もちろん、自分が住むためのマンションや一戸建てではなく、人に貸すための不動産を買うのです。
 証券の場合は、権利の売買であり、取引が終わった後は他人とのかかわりが希薄になります。そこが証券投資が気楽に思える面でもあります。一方、不動産は自分の所有物に他人を受け入れる必要があります。トラブルの種を抱え込むことにもなりますが、それは報酬を得るための対価の支払いなのでしょう。
 頭金を支払い、資金を借り入れて物件を買います。その物件からの借入金の金利やあらゆる経費を支払わないといけませんが、その物件を貸し出すことで、貸し主よりもっと多くのお金をもらうことができれば、差額がキャッシュフローになります。プラスのキャッシュフローが得られるような物件を慎重に探す必要があります。
 いちばん難しく、その一方で成功すれば金持ちへもっとも早く導いてくれるビジネスについては、別項に譲ります。

・ビジネスとジョブ(仕事)の違いを意識する
 ほとんどの人はビジネスを持っていないはずです。ただし、あなたのビジネスは? と聞かれたときに、自分の仕事を答える人も多いようです。これは、ビジネスと仕事の区別ができていない好例です。

 ロバート・キヨサキ氏は、ビジネスと仕事に関しても、明確に区別をしています。

「ビジネスとは、あなた自身がいなくてもお金をポケットに入れてくれるもの」
「仕事は、あなた自身が働くことでお金をポケットに入れてくれるもの」
 したがって、会社の社長であっても、ビジネスオーナーに雇われている場合は、その社長はビジネスを持っていることにはなりません。
 ビジネスを別な言葉で表現すると、システム、ということになります。良いシステムを作ることができれば、そのシステムを多くの人に売ることも出来ます。
 ただ、システムをイチからすべて作るのは、かなりの根性が必要です。例えば、ハンバーガー屋を経営することを考えます。材料の仕入れ、機材の購入や手入れ、店員の教育や給与計算などの事務手配を、すべてを自分で行わなければなりません。
 しかし、もし、ハンバーガー屋のフランチャイズ権を買ったとしたら、すべてを自分でイチからそろえる必要はないかもしれません。少なくとも、食材や味について、自分で考える必要はなくなるでしょう。従業員も雇えるならば、運営にのみ専念できます。最後には運営も他人に任せて、自分はその店の所有者であり、その権利分のお金を得ることが出来るようになった段階で、その店はビジネスになった、と言えるわけです。
 ビジネスを成功させるのは、本当に難しいと思います。なぜなら、システムを滞りなく運転していくためには、強力なリーダーシップ、もしくはチームワークが必要になるからです。
 あらゆる手間を考えれば、証券や不動産投資のほうが手軽でしょう。
 いずれにせよ、ファイナンシャルフリーを目指すためには、ビジネス、証券、不動産投資のいずれかを行うことにより、自分の仕事から以外のキャッシュフローを増やしていくことが重要なのです。


3:学生時代にエリートでなかったことを気にするな

 学生時代の成績の悪さ、学歴の低さ、大学の格の違いにコンプレックスを抱く人は多いかもしれません。しかし、実際の仕事やビジネスにおいて、それがハンディキャップになるとこは、実はそれほどないようです。

 なぜなら、仕事では実践経験が重要になりますし、ビジネスに関してはそれほど詳しく学校では教えてくれないからです。マネーに関する知識も、学校ではなかなか核心を教えてもらえません。

・学生時代の成績など誰も聞かない
 学生時代は、通信簿などが定期的に渡され、相対順位でしかない5段階評価に一喜一憂したものです。両親も「なんで2ばかりしかないんだ! もっと勉強しろ!」とか「4と5が増えてきたね。その調子で頑張れば、よい大学に行けて、よい会社に入って安定した生活が出来るよ」などと話したものです。
 ところが、いざ大学を卒業して会社に就職してみると、学生時代の成績というのはまったくといっていいほどアピールにならないというのが現実です。
 もっとも、就職活動では、出身大学がその影響を与えることもあります。また、就職後に大学別に派閥を組むという大企業もまだあるかもしれません。
 それでも、各部署に配属され、実際に仕事をすることになったときには、学校の成績はほとんど関係ありません。実際に仕事がどれくらいできるか、だけが重要です。
 ロバート・キヨサキ氏は、お金の面においては特に、学生時代の成績は関係ないと語っています。いざ、銀行へ行って融資の相談をするときには、銀行はあくまで現在の経済状況を査定しようとします。銀行員にとって必要な情報とは、融資を受けようとする人が、確実に返済ができるのかどうか、だけです。学生時代の成績が悪いことが理由でお金を貸さない、ということはしないのです。

・本当に必要な技術は自己アピールと交渉術である
 あなたがサラリーマンとして働いているとします。給料を客観的に判断したとき、価値に見合った金額を得ているでしょうか?

 もし、自分の価値に見合った金額をもらえていないと感じたならば、より強く自己主張をしてみる必要があるかもしれません。もっとも、給料はあくまで経営者の都合で決まるもので、受け取る人がコントロールできるものではない点も忘れてはなりません。
 サラリーマンの給料は、一部企業ではある程度の成果給などが認められているものの、現実的には役職が上がるごとに高くなる仕組みになっています。すなわち、会社に対してより重い責任を負うことが、給料を得る対価となるのです。その対価より多い給料はもらえないというわけです。
 自営業などの場合、アピール力、別な言葉で言うと、広告、プレゼンの重要度がもっと上がります。どんなに優秀な能力、すばらしいサービスがあったとしても、それを他人に広くアピールできなければ、利用しようという人は現れないでしょう。
 銀行に出向き、より有利な条件で融資を受ける。不動産を物色し、売主からより有利な条件の売値を引き出す。自営業なら、こちらのサービスの正常な対価を支払っていただく。これらを実現するためには、アピール力がともなった交渉術が重要になってきます。
 今後、ビジネスや不動産投資で成功したいと思う場合は、プレゼン能力、交渉術など、リーダーシップにかかわる能力を鍛える必要があるのでしょう。
 自己アピールが苦手で人見知りが激しいという人が投資で成功するためには、ペーパーアセット、すなわち証券に専念したほうがよいかもしれません。最近ではインターネットを利用したオンライントレードが一般的となってきて、対面でなくても株式売買が問題なく行えます。じっくりと吟味し、これと思える銘柄を自分の判断のみで売買する場合、社交性の重要度を下げられるでしょう。

・自分に会った学習方法を見つけるのが先決
 人によって、どのような学習方法が合っているのか、まったく異なります。なるべく早く、どのような学習方法がぴったりあっているのか、見つけるべきです。

 私の場合、他人の講義を、長い時間、机の上でじっとして聞いているのが好きです。メモなど取らず、全神経を集中し、どの言葉が私にとって重要か、重要でないかを、瞬時に取捨選択するのが好きなのです。本当に必要な言葉だったら、あとでいくらでも思い出せるものではないでしょうか。私が少々変わり者なのは、実際に聞いた授業の内容をそのまま使うかどうかを、かなり慎重に吟味する点でしょうか? そのまま鵜呑みにはしていない場合がけっこう多いように思います。
 ロバート・キヨサキ氏が語るように、ひとつの学習方法がどの人にも当てはまるとは思えません。とある教授のように、本を3色ボールペンで塗りたくって、後でより重要な箇所を簡単に探せるようにする勉強方法がよい、とする考え方もあります。ロバート・キヨサキ氏本人は、まず失敗しても良いから行動してみる。失敗したときにはその原因を追究し、次回には二度と、その失敗をしないよう注意する、それが実現できれば学習できたとする、といった学習方法がよいとのことです。
 どのような勉強方法がいいか、自分で見つけるなければなりません。そして、見つけた勉強方法を、あらゆる機会に実践すればよいのでしょう。
 実行なき知識はゼロである、という言葉もあります。学習して得た知識を、実際に行動できるようになるまで、人は学習し続けなければならないのだと思います。
 学生時代においては、学校の先生の教え方がすべてであり、それに合わない生徒は、落第の烙印を押されてしまいました。しかし、学生時代の学校の先生から教えてもらう学習がすべてのはずはないのです。職種によっては、基礎としては使えてもさらに突っ込んだ内容となると学校で習うことは役に立たないものも多いのです。そこで、学校から解き放たれた以上は、自分なりの方法で学習をして、社会を渡り歩く術を身に着けなければならないのでしょう。


終わりに:金持ちになるための対価を払おう

 これまでロバート・キヨサキ氏の著作から読み取れる、金持ちになるために心がけたいことを取り上げてきました。
 ここで改めて簡潔にまとめてみたいと思います。

 まず、私たちは、もっとお金に関して勉強しなけばなりません。お金の使い方、お金の借り方、税金の節約の仕方などは基本です。そして次に、お金を稼ぐ方法を2つ以上持つよう工夫しなければなりません。ひとつは勤労所得、もうひとつは資産からの不労所得です。不労所得には3種類あり、ビジネス、不動産、証券のうち、好きなものを追求すればよいでしょう。不労所得を増やす研究を苦もなくするためには、私たちは、自分の性格に合った勉強方法を見つけなくてはなりません。
 私などは、素直に出来そうだ、と思えます。正直、お金の勉強が楽しいのでFPの資格を取ったのです。ただし、ロバート・キヨサキ氏はそれでも、お金持ちになれる人はそれほど多くないであろうと考えています。
 なぜか。それは、「私には出来ない」と思い込んでしまう人が多いからだ、と、ロバート・キヨサキ氏は述べてます。また、やってみたとしても、大きな失敗ができないとか、失敗するとすぐ撤退してしまうとか、金持ちになることを諦めてしまう人が多そうです。もしくは、やってみたくても勉強する暇がない、という人も多いかもしれません。
 投資を始める最初の段階で、まとまったお金がないのは当たり前です。まずは、少ないお金でも出来る積み立て貯蓄から始めるべきです。そして、徐々に規模の大きい投資に移っていきます。途中で止めずに、まずは資産を買う、ということを根気よく続けるべきです。
 まず、少しずつ投資に回すお金を貯めていく、というのが重要です。次に、とにかくやってみます。心配な人は本などで基礎を学んでから行えばよいでしょう。そして、失敗を恐れずチャレンジします。失敗したら、次回、同じ失敗をしないようにすればよいのです。そして、再びチャレンジするのです。
 あらかじめ本などで学ぶ。失敗していくらかのお金を失う。これらはすべて、将来の成功への対価です。対価の支払いなくして、将来の成功はありません。
 学ぶという対価、チャレンジするという対価を支払い続けていける人が増えて、一人でも多くの人がファイナンシャルフリーを得られることを願います。

※当コラムは日々徒然(ココログ日記)に連載されていたものを加筆修正したものです


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